会員著書紹介
金児曉嗣・結城雅樹 編著 『文化行動の社会心理学』 (北大路書房 2005年)
編著
金児曉嗣(かねこ さとる)・結城雅樹(ゆうき まさき)
出版年
2005年
出版社
北大路書房
体裁
B5版 192頁
ISBN
4-7628-2430-5
価格
2500円
序章 文化行動の社会心理学
(金児曉嗣・結城雅樹)
1 はじめに
2 こころと文化の研究史―社会心理学の場合
3 こころと文化の相互関係
4 社会心理学における文化への3つのアプローチ
5 文化を考慮に入れた社会心理学研究の意義
第1部 文化行動の心理学的基盤
第1章 文化と記憶
(清水寛之)
1 はじめに―記憶研究の視点から
2 時間の流れと記憶
3 個人の記憶の社会・文化的側面
4 個人の記憶から社会の記憶へ
5 知識の伝達と技能の継承
6 文化の継承と人間の記憶の今後
第2章 考え方, 感じ方の文化心理学―認知・感情の文化依存性―
(北山 忍)
1 はじめに
2 理論的枠組み
3 認知における文化的差異
4 感情における文化的差異
5 まとめ
第3章 文化と動機づけ(速水敏彦)
1 達成動機概念の文化差
2 原因帰属の文化的特徴
3 自己評価と文化
4 自己決定における文化差
第4章 文化と集団
(結城雅樹)
1 個人主義と集団主義の研究史
2 定義
3 個人主義と集団主義の帰結
4 個人主義と集団主義の文化差は幻だった?
5 集団間比較志向と集団内関係志向
6 おわりに
第2部 文化行動の発達的基盤
第5章 文化と発達(湯川良三)
1 種としての人間の特性
2 子どもの発達の源泉としての文化
3 文化のなかでの発達の基盤
4 おわりに
第6章 文化と教育
(箕浦康子)
1 学校―マイクロとマクロが出会う場
2 文化的マイノリティーと学校文化
3 教育実践とこころの習慣
第7章 文化とジェンダー
(湯川隆子)
1 「ジェンダー」という概念とそれが意味するもの
2 「性役割」という概念とそれが意味するもの
3 「セックス」という概念とそれが意味するもの
4 生物学的・生殖的性・性差は絶対か?
5 性別規範を主体的に問うことの重要性
6 自己の生物学的性を主体的に引き受けることの重要性
7 宿命としての性から主体的に選びとる性へ
第8章 文化と高齢化
(田尾雅夫)
1 超高齢社会の到来
2 高齢化について
3 老いを生きる
4 超高齢化社会に向き合う
5 高齢者の活用
6 結論
第9章 文化と死―末期医療の視点から―
(柏木哲夫)
1 現代日本人の死の問題点
(1) 家庭死から病院死へ
(2) 交わりの死から孤独な死へ
(3) 情緒的な死から科学的な死へ
(4) 現実の死から劇化された死へ
2 病院死の問題点
(1) やりすぎの医療
(2) 苦しい死
(3) 精神的ケアの不足
(4) 個性が重んじられない
3 ターミナルケア
(1) ターミナルケアのすすめ方
(2) 病人の理解のしかた・こころの読み方
(3) 末期医療におけるコミュニケーションのもち方
(4) 精神的ケア
(5) 末期患者の心理プロセス
(6) ターミナルケアとコミュニケーション
第3部 文化行動の制度的基盤
第10章 文化と食行動
(今田純雄)
1 食行動に及ぼす文化の力
2 生物・個体・文化
3 食物に対する態度, 感情―最近の研究(国際比較)
第11章 政治と文化
(飽戸 弘)
1 政治研究と社会心理学
2 時代と政治―ニューポリティックスの時代
3 社会と政治―CNEP国際比較調査より
第12章 文化と法
(佐藤岩夫)
1 はじめに
2 川島武宜の「日本人の法意識」論
3 「法意識」の経験的研究
4 法文化論の構想
5 「法文化」の社会的構築
6 むすび
第13章 文化と宗教
(金児曉嗣・金児 恵)
1 宗教心理学の定義と歴史
(1) 宗教心理学の定義
(2) 宗教心理学の隆盛と衰退, そして復興
2 現代心理学における宗教研究
(1) 宗教的志向性の研究
(2) 宗教の社会心理学的研究
3 日本人の宗教
(1) 日本人の宗教的態度の構造
(2) 宗教行動
(3) 煽りの宗教と鎮めの宗教
4 宗教の比較文化的研究に留意すべきこと
第14章 文化と共生
(渥美れい子[れい=三水偏に令])
1 はじめに
2 葛藤とその解消方法
3 攻撃の定義
4 攻撃についての理論
5 共生についての研究
6 人類の共生へ向けて
第15章 文化とカウンセリング
(氏原 寛)
1 文化の今日的状況―知の2つの側面
2 いわゆるカウンセリングマインドについて
3 カウンセリングの独自性
本書の解説(あとがきにかえて)
(星野 命)
1 専門的言説の集大成
2 各章の見どころと今後の課題
3 おわりに
索引
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